縁側でおばあちゃんがコツコツと編み物をしていたり、繕い物をしていたり・・・昔はこういう情景を見ることができたものです。現代も、地方に暮らすおばあちゃんたちの中には、昔から伝承されている郷土の手作り品を作っているかたもいます。今回はそんな手作りの品を作っているおばあちゃんたちが作る「はけご」を紹介します。
現代はメイクやヘアスタイル、洋服や持ち物など、なにか1つの物が大流行するというよりは多様性が高く、皆さんそれぞれが好きな物を着用し、好きなものを使っている時代です。バッグや靴など、ファッショングッズも色々なものが販売されていますね。そんな中、今「はけご」が注目されているのをご存知でしょうか。はけごというのは古くから伝統的に作られてきたものです。
はけごは昔腰につけて収穫したものを入れたり、利用する道具を入れたり・・色々なものを入れる万能な入れ物でした。藁や竹、ガマの穂といった強度のある材料を使い、丁寧に編み込んで作っていたはけごは、現在、最上町のおばあちゃんたちが「PPバンド」というものを利用して作っています。
現在でも最上町では生活の中になくてはならないものとして利用されており、畑で作った野菜や山で採った山菜など収穫したものを入れる道具として、また普段利用するバッグ、温泉に行く際のカゴなどに利用しているそうです。手にもったり肩にかけたり、腰につけるだけじゃなく、色々な使いかたをしているのですね。
昔からの使いかた、農作業で使うほか、現代ならガーデニングにもおすすめです。現代作られているはけごはカラフルなPPバンドで作っているので、作業も楽しくなりますよ。温泉に行くときやキャンプ、海水浴などに行く際、水に濡れても問題ありません。PPバンドは水を吸わないので濡れた衣類を入れても外に水分が染み出てくることもないのです。
若い女性には街で利用してみてはいかがでしょう。ピンクやイエロー等の可愛いカラーが利用されているので本当にキュートです。形がしっかりしているので、水泳バッグなどにもいいでしょう。職人さんなら工具入れとして利用できますし、近年流行中のDIYをしている人は工具を入れて・・・様々な使いかたができる便利モノです。
はけごが山形県でよく作られるようになった背景には、雪深い地域だったことがあげられます。全国有数の豪雪地帯である山形県最上地域は、冬になると全体が雪に覆われ農作業はおろか、生活にも支障をきたす厳しい地域です。冬場は農作業など出来なくなるため、家の中でできる手仕事文化が発展してきたといいます。この手仕事がはけご造りだったのですね。
ガマの穂や藁、竹以外、あけびや山葡萄の蔓やクルミの木の皮などからも作られました。皆さんそれぞれに、独自の編み込みかたがあり、編み込みかたによって模様が違います。昔はガマの穂などを乾燥させた丈夫な植物、木の皮などで作っていましたが、現在はPPバンドを利用して作るため、模様の違いのほか、皆さん色使いなど工夫し、ポップでキュートなバッグ政策が行われています。
厳しい冬をはけご作りを無心に行うことで乗り越えてきた山形の人々。そのものづくりが現代に継承し、おばあちゃんが造る、注目のアイテムとなっているのです。
山形県の中でも今はけご作りで注目されているのが、山形県の北西部に位置する自然豊かな最上町にある沢原(さわら)地区のお母さんたちです。古くから伝えられている地域の工芸品を絶やさないようにと、丈夫で色々な使い道のあるはけごバッグを制作しています。
コツコツと丁寧に、心を込めて作っています。しかしこのはけご作りも後継者問題があり、はけごを作ることができる人は年々減少しているそうです。ガマの穂などを使った昔ながらのはけご作りは現代難しいと思いますが、ホームセンターで売っているPPバンドで作ることができる、現代風の作りかたなら誰でも作ることができるので、チャレンジしてみてはいかがでしょう。
現代のはけごはホームセンターで売っているPPバンドを利用して作ります。PPバンドは梱包用の紐で、今は色の種類も豊富でカラフルなものがたくさん売っています。作るものによってPPバンドをカットして複数用意し、それを縦横交互などに編んでいきます。色の使いかたで同じ編みかたでもまったく違う印象になるのが楽しいです。
おばあちゃんたちは縦横の単純な編みかた以外、斜めに組和わせたり、縦横斜めなど複雑な模様にしたり、様々な模様を作り出しています。まずは単純な縦横に編み込んでいくはけご作りから始めるといいでしょう。
はけごには色い色な種類があります。まず農作業で利用する腰につけて利用するタイプ。収穫した野菜などを腰につけたはけごにささっと入れていけばいいので、収穫も楽になりますね。今若い人たちに注目されているのがバッグです。大きさもサイズも色々で、ちょっとそこまでお散歩するときにお財布や携帯、汗拭き用のタオルや飲み物などを入れられる小ぶりなはけごも可愛いです。
海やキャンプなどアウトドアに行くなら底有のトートバッグみたいな大振りのはけご。開口部が広くて大きなものもしっかり入ります。1.5リットル、2リットルのペットボトルを入れても、はけごは丈夫なので持ち運べますよ。お買い物に行く際のお買い物バッグとしても、かさばる物から重いものまでたっぷり入るのでおススメです。
腰に装着して使う腰バッグも小さいサイズから大きめサイズまでサイズが豊富です。最上町のおばあちゃんたちのネットショップでは、好みの色にしてもらうなどオーダーメイド的な依頼もできるそうなので、自分が好きな色で依頼してみてもいいですね。
はけごのデザインは縦横に編み込んでいく市松模様のようなデザインのほか、お花模様に見えるデザインや、ぼこぼこと立体的に見えるデザインなど様々です。はけご作りのプロのおばあちゃんたちは、こうした模様をいくつも組み合わせて、より複雑なデザインのバッグを作っています。
四角模様が並んでいる下はお花模様のように見えるデザイン。またその下に四角模様のデザインと、いくつかのデザインがキレイに組み合わさっていたり、同じカラーで違うデザインを組合わせていたり、おばあちゃんたちのセンスが抜群です。
現在作られているはけごは、ホームセンターに売っているPPバンドを主に利用しています。PPバンドは表面が網目状になっていて、ポリプロピレンでできています。元々梱包用に利用されているバンドで、固く丈夫です。
昔はガマの穂や藁の芯の「みご」と呼ばれるものを利用して作られたものもあります。みごは細くて丈夫、藁を割いて芯の部分だけを使うので手間がかかります。そのためみごで作ったはけごはよそいきに使っていたといわれています。ガマの穂もみごも、またそのほかの植物や木の皮も、一度乾燥してより強度を増した状態で使われていました。現代でもガマの穂を利用してはけごを作っているかたもいます。
<商品例>
○アケビ編みのはけご
はけご 花かごやフラワーベース 中古品 7,800円
○ブドウ編みとイタヤカエデのはけご
見立て花器 花かご 中古品 12,800円
○ブドウ編みのはけご
フラワーベース カゴ かけ花 中古品 29,800円
アケビ編みやブドウ編みの古民芸品は、使いこんだ渋めの色が特徴的です。部屋にお花を入れておくのもいいですし、雑誌などをいれて使ってもかっこいいと思います。
<商品例>
○竹のはけご
中古品 2,500円
○竹のはけご
中古品(旧家のもの) 5,000円
竹のはけごは古民芸品のほか、現在作られている物もあるようです。年数が経過している物も丈夫でとても美しい仕上がりなので、インテリアのほか、お野菜を入れるなど実用的にも活用できますね。
<商品例>
○はさみ入れのはけご
サイズ 縦18? 横10? 奥行5? 剪定鋏1本分
800円
○手提げのはけご
サイズ 縦18? 横22? 奥行10?
500mlペットボトル縦4、5本分
1,800円
○手提げのはけご
サイズ 縦17? 横19? 奥行10?
500mlペットボトル縦4、5本分
2,500円
○手提げのはけご
サイズ 縦23? 横30? 奥行15?
500mlペットボトル縦10本分
4,800円
PPバンドで作られたはけごはカラフルでとてもキュートです。夏、海に行くとき荷物をたっぷり入れても大丈夫。濡れたものもガンガン入れられるのでアウトドアに最適です。またタウンユースとしても可愛く使えます。
<商品例>
○手提げのはけご
サイズ 縦23? 横27cm 奥行13?
ペットボトル縦7本分
4,800円
○手提げのはけご
サイズ 縦18? 横31cm 奥行15?
ペットボトル縦6本分(頭出る)
5,000円
クラフト素材にお物は牛乳パックなどの再生紙を利用して作っています。こより上の細い紙が利用されているため、PPバンドと比べると水に弱いのですが、強度はしっかりあります。クラフト素材を利用しているので、編み込みで立体感があり、シンプルで美しいはけごです。
伝統的な工芸品というと、インテリアや魔よけとして飾るものが多いのですが、はけごは今生活の中で使えるものです。しかも色使いや模様がキュートで色々な使いかたができる便利モノとして注目されています。カラフルなものもありますし、シンプルでシックなものもあります。古民芸品はお花を入れたり、雑誌やぬいぐるみなどを入れたり、インテリアとしても最適です。おばあちゃんたちがコツコツ作ってくれた可愛いはけごバッグを皆さんもバッグ、物入れなどに活用してみてはいかがでしょう。